労災保険は国内向け
労災保険とは、正式名称を労働者災害補償保険といい、労働者災害補償保険法に基いて、安い掛け金で業務上の万一の補償をしてくれる、厚生労働省労働基準局が管理運営する保険制度です。
労災保険には、業務災害だけでなく通勤災害も含まれます。療養補償給付、休業補償給付、傷病補償年金、障害補償給付、遺族補償年金、葬祭料、介護補償給付と多種の給付内容があります。
労働者の業務上のケガだけでなく、万一の死亡の場合にはその遺族に対しても労災保険が下るのです。
労災保険は事業所単位で加入されるシステムになっています。対象労働者は、適用事業に従事して賃金を支払われる労働者とされています。その場合、パートやアルバイト、日雇い労働者であっても、労災保険の適用対象者に含まれます。
国の直営事業や官公署の事業に従事している者の場合は、国家公務員災害補償法または地方公務員災害補償法の適用対象ですから、労災保険は適用されません。
特定独立行政法人の職員の場合も、国家公務員と同様に扱われるため、労災保険が適用されません。
但し、地方公共団体の現業部門の非常勤職員の場合には、労災保険が適用されますので注意が必要になります。
また、労働基準法において、労働者とみなされていない個人事業主や法人の代表取締役、同居の親族等の従事者にも、労災保険は適用されません。労災保険は国内向けなので、海外派遣者にも適用されません。しかし、これらの人々には特別加入制度があります。